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X線(エックスせん)撮影で写るもの

X線撮影とは、人体に放射線をあてる(照射する)ことで、その吸収差により画像(写真)を作る技術です。当院では、骨や関節のX線撮影を行うことで、それらの状態をみて、診断に役立てています。
 しかし、X線で写るのは骨ばかりではありません。お金やヘアピンなどの金属類や、プラスチックの固い物質も、X線を吸収してしまうため、画像に写ってしまいます。

 

上の図は、X線を写すカセッテ(イメージング・プレート)の上に、金属類(お金、ボタン)・プラスチック(テレホンカード、ボタン、ボールペン)を置き、X線撮影を行ったものです。このように、そのままの形で写っていることがわかります。
撮影する部位やその周辺に金属やプラスチックがあると、それらが重なって写り、必要な部位が見えなかったり、その反対に病気があるように見えたりして、診断しづらくなります。そのような場合は、もう一度撮影し直す必要があります。
そこで、撮り直しをしないように、患者の皆さんには、撮影部位が見えるように服を脱いでいただいたり、検査着に着替えていただきます。また、撮影部位やその周囲に金属やプラスチックなどが写らないように、はずしていただきます。

2.撮影時にはずしていただくもの

(1)首の骨(頸椎)
ヘアピン、ピアス、ネックレス、補聴器、エレキバン、シップ、ブラジャー(肩ひもにプラスチックや金属がついているもの)、束ねている髪の毛(ゴムで束ねていると写ってしまう)

(2)腰の骨(腰椎)
ブラジャー(ホックがついているもの)、腹巻き(特にチャック付きは絶対ダメ)、エレキバン、ホッカイロ(貼付タイプは見つけづらい)、Tシャツのプリント、シップ、服のボタン、ズボンのチャック
(3)肩や腕、膝や足

シップ、エレキバン、指輪、腕時計など

首の骨の撮影で、「ヘアピン」が写っている(○のなか)

ヘアゴムでとめた髪の毛が、正面で首の骨に重なって写っている(矢印の部分)
洋服の肩パットが写ってしまい、変なラインがでている(矢印のライン)
肘の画像、ボタンが骨と重なって写っている(○のなか)

(4)まれに見かけるもの
1)痩せる耳ツボに、金属球を貼っている患者さんがいます。首の骨(頸椎)の撮影時には、骨と重なって写ってしまうので、申し訳ありませんが、はずしていただくこととなります。

2)腰の撮影をして、腸の中にバリウムが残っていることがあります(下の 図)。話を聞くと、「胃の検査後に病院へ来た」とか「2、3日前に腸の検査した」という方が多いようです。腸の中にバリウムが残っていると、X線では腰の 骨の状態が分からず、診断できません。ですから、3日以内に胃や大腸のバリウム検査をうけた方は、受付に申し出て下さい。

腸の中がバリウムだらけで、かんじんの腰の骨が見えない
(胃バリウム検査当日に来院)

胃バリウム検査から3日後に来院、腸内にバリウムは少ないが、診断しづらい

 首や腰の撮影をする際に「腕時計は、はずしたほうがよいですか?」と聞かれ ることがあります。これは、撮影部位と全く違うところですから、はずす必要はありません。私たちの説明不足も多々あると思いますが、撮影する部位の周囲だ けはずしてもらいますので、分からないことがあれば遠慮なく質問して下さい。

3.息を止めて撮影することもあります

 X線写真は、人体に放射線をあてる(照射する)ことで、画像ができます。そのX線が出ている時間(照射時間)は、0.04秒(100分の4秒)から0.25秒(100分の25秒)程度です。
 しかし、その撮影している間に体を動かすと、骨がボヤけた画像となってしまいます。そのため、首や腰の骨の写真を撮る際は、息を止めていただき、身体がブレないようにします。
 下の画像は腰のX線画像ですが、右は息止めがうまくいかなかったために、骨がぼやけて写っており、骨の辺縁がはっきりしません。左は息止めがきちんとしているため、骨がきれいに写っています。

息止めがきちんとしている画像
息止めがうまくいかなかった画像

 息止めがうまくいかず、動いてしまった画像では、細かい骨の変化がわかりに くくなります。そのために、小さな骨折や病変が見つけづらくなり、診断が難しくなります。私たち“診療放射線技師”は、小さな病変を見逃さないため、鮮明 な画像を撮影するように心がけています。なぜなら、病気を見つけるためのX線撮影が、患者さんに不利益をもたらしてはいけないと、私たちは考えています。

4.患者さんへの協力のお願い

 当院では、私たち“診療放射線技師”がX線撮影を行っています。診断に有用なX線撮影を行うため、患者の皆さんに着替えをしていただいたり、撮影部位の妨げになるものは、できるだけはずしていただきます。
 また、撮影時に身体が動かないように、息止めをしっかりしていただきます。いろいろな補助具を使用して、撮影部位を固定して撮影したりしています。
 きちんとした診断をしていただくために、患者の皆さんには、いろいろとご協力をお願いすることがありますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。